私は東京界隈や関西近辺にしか住んだことがないのであまり実感は沸かないのですが、九州や日本海側の地域では黄砂はやっかいな春の使者だと聞きます。そんな黄砂について、1月15日から気象庁が黄砂情報の提供を開始しました。黄砂分布予想図を1日3回発表するほか、天気概況の中でも黄砂情報が提供されます。というわけで、今回は黄砂について。
黄砂はどこから来る?
黄砂はどうやって予測する?黄砂は西からやって来るので、中国での黄砂の発生状況がわかればいつ日本に到達するかも分かりそうなものです。とはいえ肉眼で確認するだけでは不完全。というのも砂粒の大きさによって、大きい粒は早く落下する、小さい粒はなかなか落下せず遠くに到達する、というように到達距離に違いがあるからです。そこで登場するのが、ライダー。ライダー(lidar)とはlight detection and rangingの略で、電波の代わりに光を使ったレーダーのことです(ちなみにレーダー(radar)とはradio detection and rangingの略)。黄砂に向かってレーザー光を発射し反射光を望遠鏡で観測することにより、粒子の高度や大きさ・形状を測定することができます。どこにどのような粒子がどのくらいあるかが分かれば、あとは通常の気象解析で算出した上空の風の状況によって黄砂がどのように広がるかを予報できるわけです。 黄砂を防ぐには?黄砂に見舞われると、軽微なところでは洗濯物が汚れて困るというところから、視界が悪くなって飛行機が運航できなくなるレベルまで様々な影響がありますが、近年の地球温暖化や砂漠化の進行が黄砂を悪化させているという説もあります。ただ、黄砂の発生源が東進しているという研究結果がある一方で、10万年以上前から黄砂は日本に影響していたというデータもあって、砂漠に木を植えようという程度では解決しないのではないかと思います(砂漠の緑化自体は良いことだと思いますが)。というわけで、結局のところ、気象庁の黄砂情報をチェックして、洗濯物は室内に干す、車にはビニールカバーをかける、等々のこまめな対策が一番ではないかと思います。消極的ではありますが。
【参考文献】
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