「てんきや」コラム

#2: 5月に花見

せっかくの週末だというのに東京の桜は今日の雨ですっかり散ってしまいそうで、コンビニの店長さんの嘆きが聞こえてきそうな今日この頃。そういえば去年は桜がやたらと早く咲いてしまい、やはり各地で「商売あがったり」だったようですが。

そんな折、後輩から「5月のゴールデンウィーク明けに花見に行きましょうよー」という誘いを受けました…って、ちょっと待て。5月にどこで花見(やはりこの場合はサクラを指しているらしい)をしようと言うのだ。サクラの開花日は100キロ北上すると約5日、標高が100メートル上がると約1.6日遅くなるらしいのですが(参考:「ソメイヨシノ開花に関する従来の研究」)、計算するのは面倒なので、素直に気象庁に聞いてみましょう。

気象庁が4月2日に発表したさくらの開花予想(PDFファイル)によると、青森のソメイヨシノの開花は4月24日。満開まで1週間としてもゴールデンウィーク中には散ってしまいそうです。では北海道はというと…まだ開花予想は発表になっていません(4月9日に発表予定)。予想がダメなら過去の実績を見てみよう、というわけで気象庁ホームページの電子閲覧室の中にある過去のさくらの開花日を開いてみると…おっと、2002年のデータは早咲きすぎて当てにならないので、2001年のサクラ開花を見てみると。函館、4月28日。札幌、4月29日。まだ早すぎる。旭川、5月4日。網走、5月12日。このあたりならゴールデンウィーク明けでも花見ができそうです。でもちょっと待った。よく読むと「エゾヤマザクラ」って書いてあるではありませんか。どうやらソメイヨシノの北限を超えてしまったようです。

…というわけで、結論。ゴールデンウィーク明けにはソメイヨシノの花見は難しいでしょう。まあヤマザクラも綺麗なんでしょうけどね。

(2003/4/5)
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